1月9日,始業式・表彰式が行われました。
日本商工会議所簿記検定2級
紺屋 明希 馬場園 昴史 甲斐 こはる 坂本 璃桜
中村 彩乃 池田 鈴花 永瀬 琉凪 中村 ひなた
優秀賞:隈元 ひなた 椎原 麗南(全国大会選抜)
秀作賞:古賀 樹 松元 姫星
奨励賞:上園 真弘 宮原 優瞳 前田 彩羽
山下 麗奈 後堂 愛夢
入 選:西藤 未空 薗田 愛未 江良 美伊菜
串田 瑠亜 前杉 瑠菜
その後,校長先生から式辞が述べられました。全文を掲載します。
皆さん明けましておめでとうございます。令和6年の1年が皆さんにとって充実した1年になることを願っています。
初夢について話そうと思っていましたが,元旦に石川県能登半島で発生した地震によって1月9日付新聞では168名の方が亡くなっていて,いまだ多くの行方不明の方がいることは皆さんも報道等で見て知っているかと思います。鹿児島から遠く離れたところで起きていることですが,私達にできる協力をして,一方で自分たちの身の回りで起きたときにどうするか,を考えておかないといけないと思っていることです。
※当初はこんな話をしようと思ってました。
年末年始は,心穏やかに過ごせたでしょうか。家族でゆっくりとした時間を過ごすことができたでしょうか。普段は会えない友人たちに会えたでしょうか。元旦の夜はどんな初夢を見たでしょうか。世の中では「初夢」とは,12月31の夢ではなく,元旦の夜に見た夢のことを指すとようです。つまり,記憶としては2日の朝にある記憶が初夢ということになります。初夢の良い例として,「一富士二鷹,三なすび」という言葉がありますが,皆さんは知っていますか。江戸時代が発祥と言われるこの言葉は,諸説ありますが,最も有力視されているのは,時の天下人徳川家康ゆかりの地である駿河の国(現在の静岡県)の名産が「富士・鷹・茄子」であることから「一富士二鷹三茄子」を家康が好んでいたことから,家康にあやかろうとしてこの言葉ができたという説です。
さて,話は変わりますが,12月22日の終業式の時,進路指導部からの話の中で,福留先生が「1日4食摂りましょう。4食目とは心の栄養,つまり読書のことです」という話をされたのを覚えているかと思います。
私の専門は国語です,その立場から言わせてもらうと,読書のための素材,つまりどんな本を読むか,の原点は,国語の教科書にあると私は思っています。
国語の教科書には,皆さんが心を動かされる作品が多く取り扱われています。
小学校や中学校の教科書で出てきた作品,すぐには思い浮かばない人でも,題名を聞くと「あ~」と,すぐに思い出せるものもたくさんあるはずです。
例えば,
1年生「おおきなかぶ」
「くじらぐも」(中川りえこ〔ぐりとぐらシリーズ作者〕2学期)
2年生「スイミー」(レオ・レオニ・アーティスト)
「スーホの白い馬」(赤羽末吉・絵本作家)
3年生「ちいちゃんのかげおくり」(あまんきみこ)
「わたしと小鳥とすずと」(金子みすゞ)
4年生「白いぼうし」(あまんきみこ)
「ごんぎつね」(新美南吉)
5年生「大造じいさんとガン」(椋鳩十)
6年生「やまなし」(宮沢賢治)
中一 「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ)
中二 「走れメロス」(太宰治)
中三 「故郷」(魯迅) 「高瀬舟」(森鴎外)
高校では「ナイン」や「山月記」を読みましたね。
ほら,いくつも作品を思い出せたでしょう?作品を思い出すと,当時の担任の先生やクラスメート,その時の教室の雰囲気まで思い出せたりしますよね。普段の生活の中では思い出すこともない遙か昔の記憶が,なくなったわけではなくて,ちゃんと皆さんの心の中にしまわれていることに気づきますね。人間の記憶は心の深い部分にもたくさんあって,パソコンのハードディスク内のフォルダのようにしまわれているのでしょう。
では,みなさんはなぜ,むかし習った教科書の作品のことを今でも覚えているのでしょうか。一つには,授業をしてくださった先生が上手に君たちの心を揺さぶる授業をしてくださったからでしょう。
一方で,先ほど挙げた心に残っている教材は,私が小学生の頃からあるものも少なくありません。つまり「不朽の名作」たちなのです。良い作品に出会うとそれはいつまでも心に残る。そして,良い作品は何回読み返しても感動します。
さて,読書に話を戻しますが,読書が大切なことだということは,皆さんもなんとなく分かってはいると思います。読書をしないからといって生きていけない,などとということはありません。しかし,教科書から学んだ,良い作品に触れた経験をもとに考えると,読書をすることが「心の栄養=感動する機会」につながることはもう言うまでもないですよね。
皆さんは「朝の読書」の経験があるでしょうか。SHR前の10分間に読書をする活動です。たったの10分,声を一切出さず,静かな雰囲気のなかで読むと集中力が増すことも知られている活動です。たった10分でも,何回も続けると1冊の本を読み終えます。
皆さんもぜひ挑戦してみてはいかがですか。読む本は,雑誌やマンが,新聞以外ならどんなジャンルの本でもいい。自分の興味のある本を読めばいいんです。
何を読んだら良いのか,あるいはどんな本がオススメか分からない人は,クラスの図書委員さんか,図書館の森永先生に聞いてみてみてください。きっと紹介してくれると思います。
1,2年生の皆さんは近い将来に進学する人も就職する人も,面接や小論文と向き合う日が来ます。3年生は高校を卒業すると,大学や短大,専門学校に行く人も,就職する人も,様々な本を読む機会が増えます。その時になって慌てないように,今のうちから読書を始めておくことをおススメします。
今からでも全然遅くはありませんから。
読書で豊かな感性を自分の中に育てましょう,という話で,今日の式辞とします。
令和6年1月9日
校長 伊地知健三