2023年4月9日

始業式・新任式(4月6日)

 


4月6日,始業式を前に今年度赴任して来られた先生方の新任式が行われました。
今年度は14名の先生方をお迎えしました。
先生方の知識や技術,経験などさまざまなことを教えていただきながら,
楽しい学校生活を送っていきたいです。



新任式に続き,令和5年度の始業式が行われました。

校長先生 始業式 式辞

 新学期を迎えました。春休みは,今までお世話になった先生方を見送って,新しく赴任される先生方を迎える,なんともあわただしい休みですね。今日は元気に登校できたでしょうか。久しぶりにクラスメートや友人,先輩や後輩に会って近況を笑顔で報告し合えたでしょうか。

 先ほど新任式を行いました。創立117年を迎える伝統に支えられながら,新任の先生方とこの国分中央高校で,皆さんとともに,喜びや悲しみを共有できることを心からうれしく思っています。
 
 私が人生のさまざまな場面で示唆を与えてくれる,明治の哲学者森信三氏の言葉に次のようなものがあります。

   人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも,一瞬早すぎず,一瞬遅すぎない時に。

このたび着任された先生方は,生徒の皆さんにとってまさしく「一生のうちに会うべき人」であろうと私は思います。新しく着任された先生方の顔と名前を一日も早く覚えて,教えを受けながら,昨日の自分を更に超えて飛躍する一年にし,国分中央高校での充実したものにしていきましょう。

 さて,本日の始業式を迎えるにあたり,生徒の皆さんはどんな思いで登校したでしょうか。

 2年生の皆さんは中堅学年となり,実質的に学校を引っ張っていく学年になりました。また,3年生の皆さんは高校での学業,部活動などの集大成として,次の社会人としてのステージに立つ準備の学年になりました。
 どの学年の皆さんも,何事にも全力を出し切り,悔いの無い1年間を過ごしてほしいと思っています。

 話は変わりますが,終業式でも少し話をしました。令和5年度は,全国規模の大きなイベントが2つ,鹿児島県で開催されます。

 一つは高校生による芸術文化活動の祭典である,第47回全国高等学校総合文化祭「2023かごしま総文」です。鹿児島県での開催は初めてです。7月29日(土)から8月4日(金)の期間,西原商会アリーナを中心に22の部門で発表等が開催される10万人規模のイベントです。

 もう一つは,10月7日から始まる「燃ゆる感動かごしま国体」,「燃ゆる感動かごしま大会」です。実に51年ぶりの鹿児島での開催です。 ここ霧島市でも9つの正式競技,デモンストレーションスポーツ,公開競技が開催されます。このうち,ハンドボール競技と銃剣道競技はここ精華アリーナが競技会場となって開催されます。さまざまな競技の,国内を代表する一流選手の競技を間近に見ることができる絶好の機会です。私も楽しみにしています。 
 全国高校総文や国体の期間には,多くの生徒の皆さんにも選手としてあるいは競技役員,競技補助員として大会運営に関わっていただくことになると思います。鹿児島を訪れた方が気持ちよく過ごし,実力を充分に発揮できるよう,皆さん一人一人が「おもてなし」の精神を発揮してくれることと期待しています。御協力をお願いします。

 先日,放送部の生徒が「見えない力」についてインタビューにきてくれました。また,ダンス部の生徒たちも今後作り上げていく作品のテーマについて話を聞かせてほしいと訪ねてきてくれました。
 どちらも,自ら課題を発見・設定し,その課題についてさまざまな側面から情報を収集し,それをもとに深く考察し,自分たちなりの答えを探しあてていく。正解など存在しないテーマについて思考を巡らす知的活動は,現代を生きる私たちに求められる姿なのだと思います。どちらも素晴らしい思考のプロセスを踏んでいると思います。難解ではあるけれど,その思考の過程が皆さんの「知の力」を引き上げてくれます。

 放送部の皆さんはなぜ私に「見えない力」について聞きに来たかというと,昨年の全校朝礼で門礼をするようになったある学校の部活動が,念願の県大会優勝を果たし,全国大会に出場した話を聞いてのことだそうです。みなさんはこの話を覚えていますか。

 素直な心や感謝の心,自己主張をしすぎない謙虚な心,これらがもたらす人への影響を「見えない力」と呼ぶのなら,私はきっと存在すると信じています。ヒトの行動はすべてその人の「心」がすることです。友人を大切にする人には,友人が集まります。困っている友人を助ける人は,自分が困ったときに周りが助けの手をさしのべます。ごく当たり前のことです。私たちの心のありようは,自分が思うよりも他者に伝わるのだと思います。謙虚な言い方をすれば,国分中央高校で学んでいる皆さんは,国分中央高校で学ばせてもらっているのです。その感謝の思いを形にするならば,門礼をする,授業開始・終了の挨拶をしっかりとする,学校の備品や校舎を大切に使う,そういう態度になるのではないでしょうか。

 令和5年度のこの1年は,一昨年,昨年と飛躍を遂げてきた皆さんが,さらに人としての大切のことを学び,身につける1年になるだろうと確信しています。
 今年も,私は皆さんの熱烈な応援者でありたいと思っています。皆さんの頑張る姿を支え,皆さんを教え導いて諭してくださる先生方とともに,見守る存在でありたいと思っています。どうか精一杯の取り組みができることを願っています。

 この1年が,まずは1学期が,皆さんが健康で充実した高校生活を送れることを祈りながら,始業式の式辞といたします。

 令和5年4月6日
               校長 伊地知 健三